リーダーの資質は「ついていきたいリーダー」だと思わせるかどうかで決まる
「リーダー」とは何をすべきでしょうか?
リーダーとして何をすれば、「チームが一つ」になるでしょうか?
僕がこれまで「エグゼクティブコーチング」を通じて、様々な方へビジネスコーチしてきた中で、「リーダーの資質」について色んな角度から観察してきました。
リーダーの資質を一言でまとめれば、「人間力」があるかどうか。人間力とは、聖人君主ではありません。人間力とはずばり、人間力とはチーム全体はもちろん、一人一人と向き合える覚悟を持っているかどうか。これに尽きると思うのです。なぜならば、立場や権力で人を動かす時代は終わったからです。
そんな今の時代にリーダーに求められる資質は、「ついていきたいリーダー」と思わせるかどうかなのです。「ついていきたいリーダー」と思わせるために必要な内容をまとめましたので、どうぞご覧ください。
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良いリーダーとは?
ついていきたくなるリーダーって、どんなリーダーだと思いますか?
一般的に「良いリーダー」と言われる人の特徴には、
- この人なら何でも話せる
- 信頼できる人だな
- どんな時も味方になってくる
- リーダーシップを持っている
などあげられますね。
職場にもそんなリーダーがいたら、とても心強く思えます。何よりも、「この人のために自分は頑張ろう!」と思えますよね。僕も会社員を3年ほど経験していますが、社内で「良いリーダー」に出会えるかどうかで、人生が良き方向へ向かうと感じながら生きてました。
会社員から独立起業し、ビジネスコーチ/ビジネスコンサルとして独立起業しましたが、実際の仕事の現場でも、部下から「ついていきたくなるリーダー」と思われる人材が一人でもいれば、その組織は円滑に進む経験をしてきました。
そんな「良いリーダー」には共通点があったのです。その共通点についてお伝えします。
良いリーダーは自己認識力が高い
良いリーダーには、どんな共通点があると思いますか?
- 判断力
- 目標設定能力
- コミュニケーション能力
- 問題解決能力
などが、一般的な例でしょう。
確かにそれらの”スキル”は、良いリーダーには必要です。しかし、スキルがあっても「ついていきたくなるリーダー」とは思われないこともあるのです。ついていきたくなるリーダーの共通点には、「自己認識力が高い」があります。
自己認識力とは?
自己認識力とは、文字通り「自分を認識する力」のこと。もっと突き詰めて言えば、自己理解はもちろん、他者理解もできる能力のことです。自分のことを理解してるだけでなく、他人のことも理解できるようなリーダーが良いリーダーです。
それ以上に、「周りからどう思われているのか」を高い精度で、認識できる人こそ「ついていきたくなるリーダー」だと言えます。
「ついていきたくなるリーダー」とは、
- この人なら何でも話せる
- 信頼できる人だな
- どんな時も味方になってくる
- リーダーシップを持っている
でしたね。
苦しい時こそ味方になってくれる
苦しい時こそ、味方になってくれるからこそ、ついていきたくなるリーダーと感じてもらえるのです。しかし、苦しい時に味方になることをせず、
- コロナで会社も苦しいのだから我慢しなさい
- 苦しいのは君だけじゃない
- 甘えもいい加減にしなさい
など、一方的にを押し付けられることも。
確かに、会社も上司も押し潰されそうなプレッシャーの中で仕事をしています。そんな中に、「君だけが苦しいのではない」と言ってしまえば、部下やフォロワーからすれば単なる自己都合です。ついていきたくないリーダー
自己都合では、ついていきたくなるリーダーと感じられません。それだけでなく、リーダーと言われる人の中には、自己都合を押し付けながらも「自分は部下に慕われてる」と自己評価してる人もいます。これは自己認識力が高いのではなく、単なる傲慢な態度です。
良いリーダーの共通点には、傲慢な態度ではなく自己認識能力が求められます。つまり、自己理解と他者理解を通じて、チームが歩むべき方向性が決まることを認識できるのが良いリーダーなのです。
自己理解と他者理解
ここまで良いリーダーの共通点をみてきましたが、なぜ良いリーダーには自己認識能力が必要でしょうか?
その理由は、「自分のことをどれだけわかっているのか」という自己理解と、「他者のことをどれだけわかっているのか」という他者理解は、自己理解できる領域と他者理解できる領域とが同じだからです。つまり、自己理解できる人は、他者理解できる人とも言えますし、逆に、自己理解できてない人は、他者理解できてない人とも言えますね。
なぜ自己理解と他者理解が必要か?
先ほど、傲慢な態度の人の例を出しましたが、傲慢な人は自己理解は愚か、他者理解もできていません。それどころか、自己理解すらしようとしないのも事実。権力や立場で動かせる時代が終わり、その人についていきたくなるかどうかがリーダーを決める時代です。
だからこそ、
- 周りの意見に耳を傾ける勇気
- フォードバックをくれる仲間を持つ
- 孤独から抜け出す行動力
が必要になってくるのです。つまり、自分のことをわかる範囲が広がれば広がるほど、相手のことを理解できる範囲も広がると言えるのです。
自己理解とは、何も自分一人で内面を深堀りすることではなく、相手との共同作業によって進んでいくのです。だからこそ、上記3つ「周りの意見に耳を傾ける勇気」「フォードバックをくれる仲間を持つ」「孤独から抜け出す行動力」を心がけるようにしましょう。リーダーに求められる資質7選
ここまでは「良いリーダー」、つまり「ついていきたくなるリーダー」について見てきましたね。
ここからは、リーダーに求められる資質を具体的に7つご紹介してみたいと思います。
- 自己認識力
- 共感能力
- 豊かな感性
- 指導力
- コミュニケーション能力
- 行動力
- ゴール設定
では、それぞれを詳しく見ていきましょう。
1)自己認識力
まずは自己認識力。これについては先述の通りですが、一つだけ補足。
自己理解と他者理解はコインのように裏表。相手を理解することでチームが進むべき方向が分かるだけでなく、部下やフォロワーが苦しい時こそ味方になるサポートすることで「ついていきたくなるリーダー」だと感じてもらえるのでしたね。
高い自己認識力は未来設定に繋がる
ここで述べたいのは、自己認識力は自己理解と他者理解だけでなく、未来設定においても必要なのです。つまり、チームが歩むべき方向性を決定するのは、もちろんリーダーです。しかし、決定するのはリーダー1人ではありません。チーム一人一人が意見を出し合って、より良い未来を共に創る姿勢が何よりも重要なのです。
元気なチームは一人一人が元気です。元気なのはリーダーが、周りのサポートをしているからで、前に進むだけがリーダーの資質ではなかったのです。
前に進むだけのリーダーは、どこかで支配・コントロールしています。
そんなチームは、元気がないのをビジネスコーチとしての現場でみてきました。しかし、ビジネスコーチを通じて活気を取り戻したチームを実例に、リーダーの資質として自己認識力を挙げたいと思います。
2)共感能力
リーダーの資質には、決断したり前に進むだけではありません。他者理解するための共感能力が必要です。最近では、「繊細さん」と言われるタイプの人たちにフォーカスが当たってますね。僕がビジネスコーチさせて頂くクライアントにも、この「繊細さん」に当てはまる方もおられます。
「繊細さん」が勝てる時代
「繊細さん」に関する本もたくさん本屋に並んでますね。繊細さんが少しづつ生きやすい時代になったと思います。(ちなみに、僕もこの「繊細さんテスト」をしましたが、僕はどうも当てはまらなかったようです・・・・)また、繊細さんの中にもリーダー(経営者・事業者)がたくさんいらっしゃいます。かつては共感能力が高いことが、どちらかと言えばネガティブに思われていた時代もありました。
「共感できるかどうか」が、ビジネスにおいても大きな鍵を握っています。特に、情報発信にはユーザーに共感される文章こそ、読まれています。
だからこそ、繊細さんをはじめ、「共感能力が高い人」がどんどん活躍しているのです。
3)豊かな感性
リーダーの資質として、「共感能力」を解説しましたね。
自己理解には他者理解も必要だと述べましたが、他者理解には共感能力に加えて、豊かな感性も必要です。共感能力は、豊かな感性をベースになってるからです。しかし、無味乾燥なルーティーンのごとく毎日を送っていれば、せっかくの豊かな感性も閉じてしまいます。感性が豊かな人ほど、感性を養ったり、あるいは磨く時間も必要です。
「趣味の時間を増やす」など、積極的に感性を元の状態に戻していきましょう。感性が豊かな人の自分の活かし方
また、感性が豊かな人は、普通の人が感じにくい領域にも踏み入れることができます。人が気づかない部分に気付けたり、気づきもしない問題点に気づくことができます。寝ぼけた組織にいれば、「問題児」として扱われてしまいますが、革新的な組織や良いリーダーの下ならば「優秀な人材」として活躍できるでしょう。
そんな感性が豊かな人は、世の中のネガティブな部分もポジティブな部分も、人よりも何倍ものエネルギーで感じるとっているのです。
感性が豊かな人はフツーの人と比べて疲れやすくもあり、それでいて自分の役目や人生のテーマに気づかなければ、環境に流されてしまう一方です。だからこそ、しっかりと自分の人生について見直す時間も必要です。
4)指導力
リーダーの資質として豊かな感性も必要だとお伝えしました。
続いて、指導力。指導力はリーダーの資質として、言わずもがな出てくる項目でしょう。しかし、あえて加えたのも理由があります。その理由とは、「他者理解した上での指導力」ということ。
支配・コントロールするような、まるでリーダーから一方的に「こうすべき」と押し付けるのではなく、周りの意見を汲み取って意思統一した上で、チームが歩むべき方向性を示さなければいけません。
なぜ、他者理解した上での指導力なのか?
「指導力」と言えば、・教えるのが上手
・知識が豊富
・分かりやすい説明
が一般的な項目でしょう。
それらに必要なのも、自己認識力。つまり、自己理解と他者理解を通じて、一体感あるチームづくりに努める必要があります。
また、指導力と言っても、一方的に教えるのではなく、「教えて、学べる関係」こそチームには必要です。リーダーだからと言って、フォロワーに一方的に教えるスタンスではなく、フォロワーからも教われる関係が一番望ましい、とビジネスコーチの現場を通じて肌感覚として感じてます。
つまり、「指導力」と一言に言っても、何も一方的に教えるスタイルではなく、フォロワーからも教わる関係づくりも「指導力」だったのです。
「リーダーであっても、フォロワーからも学ぶ姿勢が大事。学び合える関係性こそリーダーには必要」であることを、メンタリングを学んで知りました。このメンタリングについて詳しく書いたものがコチラ↓です。
5)コミュニケーション能力
これも言わずもがな。
リーダーの資質にも、コミュニケーション能力が必要です。
自己認識力が高いリーダーは、自己主張ではなく意思疎通しています。自己主張から意思疎通へシフトさせるには、やはり他者理解が必要です。周りの意見を汲み取って、最善策を決断するのがリーダーの役割だからです。
周りの意見を汲み取らず、好き勝手な発言は自己主張だと捉えられがち。時には、耳の痛い意見を聞くことも必要で、その経験がさらに良い決断へと押し上げるのです。
6)行動力
続きまして、行動力。
背中で引っ張るタイプもいれば、言葉で引っ張るタイプもいます。
これ以外にも、周りを活かすリーダーもいます。上司にしたいラインキングでは、内村光良さんが一位でしたが、グイグイ引っ張るようなタイプではなく、周りの強みを活かし引き立たせる能力がずば抜けているのでランクインしたように思います。
逆に、周りを動かして自分だけ動かないタイプもいます。
このタイプがやるべきことは、「お願いをすること」
つまり、自分ができないことを誰かにお願いすることで、チームが円滑に進むのです。
権力や立場で人を動かすのではなく、「ついていきたくなるリーダー」だと感じてもらうためにも、率先して行動していきましょう。
7)チーム全体が歩むべきゴール設定
ここまでみてきた様に、かつて強い人がリーダーになるのではなく、自己理解と他者理解を通じてチーム全体として進むべき方向へナビゲートしていけるのがリーダーには必要でしたね。
ゴール設定するにしても、確かに最終決定はリーダー一人で決定します。周りの意見を汲み取って、最善策を練った上で決断を下せるのもリーダーの資質として大切です。「ゴール設定は、リーダーだけのものではなく、チーム全体のもの」だという認識も必要なのです。
リーダーの資質は伸ばせる
ここまで見てきた様に、いくら話術を磨いても、いくら知識が豊富でも、「ついていきたくなるリーダー」だと感じてもらわなければ、それらの経験や知識を使う機会を失ってしまいます。
人は生まれた時点で自由な存在だと僕は思います。自由な存在だからこそ、意思決定も自分で下す必要があるのだとも思います。
一番側にいてくれるリーダーがいると、人生の岐路に迷った時に、重くて固まった背中を押してくれ意思決定もできてしまうことも。
混迷な時代だからこそ、人を否定しないリーダー、それでいて誰かの悩みや困難に耳を傾け、自分ごととして捉えてくれるリーダーが求められてるのではないでしょうか?